巻頭特集 アルファに首ったけ!
「表紙の男」スペシャル対談
北方謙三×徳大寺有恒
アルファ・ロメオだけでなく、イタリア(車)を語る!!
北方 イタリアという国を見ていると、ファッションとか食いものとかはダァーっとブランドがありますよね。ところが工業製品となると、クルマしかブランドがない。なぜ、クルマだけ工業的ブランドとして残って屹立しえているのか。とにかく、あの国の南をみるとね、とてもまともな工業製品がつくれるはずがない、と思う。でも、クルマだけはちゃんと世界に通用するものがある。
徳大寺 やっぱり、イタリア車には、ほかの国のクルマにはない人間的な魅力があるからじゃないかな。壊れないとかさ、そんなことばっかり大事にしていないで、気持よく走るとか、いい音を聞かせるとか、そういうクルマなんだよ。だから、人間がわざわざ乗る甲斐がある。だって、イタリアのクルマで音の悪いクルマってないよ。エンジンも排気音も、どれもすばらしい音ですよ。オペラの国だもんね、あの国は。イタリアはまた、デザインの国でもある。イタリア車はデザインがいい。デザインがダメなクルマも、あの国にはない。日本車とは根本的につくるときの発想がちがうわけね。工業製品として見るよりも、ある種の芸術である、と見たほうがいいんだ。
北方 やっぱり、イタリア人のメンタリティというのは、クルマにあり、洋服にあり、デザインにあり、建築にありっていうことなんだろうな。いっぽう、日本人が何にメンタリティを刺激されるのか、それがじつはわからない。日本刀っていうのでもないでしょ。イタリア人だったら、たとえばクルマにこだわって、「これがオレの友だちなんだ」って言うだけでリアリティが出てくる。日本人だと、同じこと言っても、カーキチか、とかいうふうにしか読まれないですからね。
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